牛頭馬頭のブログ

関西音ゲーマー

大学編入後の生活

編入試験の記事はよく見るけど、合格してからの記事はなかなか見ないという話を聞いて「なるほどそうだな」と思ったので、授業のこととかを書いていきます。

 

…という旨の記事を知り合いが書いていたのを見て「なるほどそうだな2」と思ったので自分も書いてみようと思います。

 

ちょうど去年自分が受験した弊学科の編入試験まで残り1か月を切ったということで、これから受験される人たちのモチベーションとかになればなと思っています。

 

 

知り合いの記事です

sei0o.hateblo.jp

筆者

2021年3月に明石高専を卒業し、2021年4月に和歌山大学シス工に3年次編入

しかし物理がやりたくなりその年の神戸大学理学部物理学科の編入試験を受け合格。

2022年4月に同学科に編入し現在B3

Twitter:@NSD_Collider

 

神戸大学物理学科の編入試験のレビューです

zeitaku-fumika.hatenablog.com

 

(´・ω・`)

 

神戸大学を象徴する理学部とは関係のない建物

 

単位認定・履修登録

神戸大学では卒業に必要な単位が124?(うろ覚え)くらいで、物理学科では大体65~70単位程が認定されます(そこまで授業に互換性の無さそうな高専の化学科卒や大学の数学系の学科や建築学科からでもこれくらいでした)。

特に1,2年生向けの基礎教養科目みたいなのは(自分も編入同期も)全員全て認定済みでした。

2年生までの科目であれば結構無理やりでも認定してくれる感じで、例えば自分は解析力学高専で一切学んでいなかったのですが何故か認定されていました。

とにかく、編入したものの1,2年の教養科目を取らないといけないせいで同じ時間の専門科目がとれないみたいなことはほぼ起きないと思います。

 

また履修登録について、同じ学部の授業であれば好きに取ることが出来ます。

(例えば自分は理学部物理学科ですが、同じく理学部の生物学科で開講されている神経生理学と言う授業を取っています。)

他学科の授業も8単位くらいまでは卒業要件として使うことが出来ます。

 

一方で他学部の授業(理学部→文学部とか)は原則取れないことになっていて、どうしても受けたかったら潜れという感じみたいです。

 

(´・ω・`)(´・ω・`)

 

授業

月12 統計物理学ⅠⅡ

所謂統計力学です。力学よりも広い枠組みで学ぶと言う意味で統計物理学という名前だそう。

教科書は物理学徒には定番の田崎統計です。一年間で1,2の内容をやります。

授業も大体教科書に沿って進むので教科書の解説みたいな感じで助かってます。

中間テストが無いので前期末のテストはやばそう()

 

(月3解析力学)

先に書いたように解析力学は単位認定済みでしたが、月4に授業を入れたので潜ることにしました(が結局一回目しか行ってません)。

教科書はランダヴ力学ですが、授業ではあまり使わないのでそれ目的で受ける必要は無さそうです()

 

月4物理実験学

前期科目で、前半に素粒子実験(確率統計や素粒子物理の基礎)、後半に物性の実験で使う知識(真空技術や低温技術など)について学びます。

2年生で受ける専門科目で単位認定することも出来たのですが、自分は素粒子実験を専門にしたいので単位認定はせず受けることにしました。

この授業で習う内容は学生実験でも出てくるので理論志望でも受けて損はないと思います。

中間テストの解答用紙が編入試験で使われる解答用紙と同じで「おー」となった。

 

火12物理数学Ⅲ

唯一オンラインでも受けられる授業なのでありがたく家から受けさせて頂いております(片道1時間40分はかかるので本当にありがたい…)。

内容はFourier変換とかLegendle多項式とか。高専の頃は自分の不勉強もありこれらのありがたみがよく分からずアレだったのですが、最近は例えば量子力学の位置空間と運動量空間の関係の話などでFourier変換が出てくるので、必要性が見えてきた分結構モチベーションの高い状態で講義を受けられています(´Д`)

火曜日の授業はこれだけなので午後は自由です(絵の練習とかバイトなどをしてる)

 

水2神経生理学ⅠⅡ

生物学科の授業です。内容は脳や筋肉、脊髄などの神経細胞の働きなどについて学びます。物理とは無関係ですが面白そうだったので取ってみました。

(自分はシュタインズ・ゲートにかなり影響を受けてるのでそれもある)

 

神経生理学Ⅰは高度教養科目(他学部からのみ受けられる授業)の「脳科学」という授業も兼ねており、Twitterで知り合った去年の工学部電電(自分が現役時に落ちた所)の編入生が脳科学の授業で取っていたのでその人と一緒に授業を受けていました。

 

普通に楽単だし内容も(興味あれば)面白いので個人的にはおすすめの授業です。

 

水345物理学実験ⅢⅣ

物理学科3年生向けの学生実験です。

1つのテーマに対して3週間実験をして、次の1週間でレポートまとめ&提出という流れです(3週間分のレポートなので提出期限前日とかまで溜めてると死にます)。

時間は3-5限となっていますが大体の実験は17時くらいには終わるものが多い感じです(ただめっちゃ時間かかるのもあるのでバイトとかは極力入れないのが吉)

実験内容はマイケルソン干渉計を使ったものや、光電子増倍管とかを使ってガンマ線の数を測定するものなどがあり、高専や前の大学でやっていた「回路組んで抵抗値測るだけ」みたいな実験に比べるとテーマがかなり自分の興味に近くテンション上がってました。

 

木12量子力学ⅠⅡ

「場の量子論(裳華房)」でおなじみの坂本先生の授業です。

神戸大学では珍しいことに3年生の前期から量子力学の授業が始まります。

(一般的には2年の後期からの所が多い気がする)

これについて学科主任の先生は、「多分編入生のために3年生からにしてるんじゃないかな。」とか言ってました。

授業スライドが結構分かりやすくて良い感じです。

中間テストが難易度はそこまで難しくは無かったのに一つだけやり方ど忘れして埋まらず泣いた。

 

木3一般相対性理論

隔年で、宇宙論という授業と交互に開講されている授業です。

結構難易度が高いけど一般相対論は物理学科に入ってやりたかった勉強の1つなので頑張って食らいついてます。

特殊相対論の授業は2年の後期にあり、3年で一般を受ける場合大学の特殊の講義を先には受けられないので、編入前にある程度予習をしておくことを強く勧めます。

(特に、特殊相対論、テンソルとかを使った添え字の計算を多少やっておくのがおすすめです)

 

(木4自主ゼミ:一般相対論)

有志で一般相対論の自主ゼミをやっています。(メンバーの空きコマの都合から奇しくも一般相対論の授業の直後になった)

須藤靖「一般相対論入門」を使って一人ずつ担当を決めてやっています。

授業の復習にもなるし結構モチベーションを貰えるので楽しい。

 

金曜 全休

沢山寝てます_(:3 」∠)_

 

理学部棟

リスボーン地点(理学部棟)

理学部の授業はほぼ全てここの各教室で行われます(編入試験の会場にもなっています)。

このようなコンクリートむき出しの無骨な造りは一時流行っていたらしい(建築学科出身の編入同期が言ってた)

コンクリートの熱伝導率の高さゆえに外の冷気を大量に取り込んでくるので、入学直後の春の陽気に包まれた暖かい時期でもこの理学部棟だけはめちゃくちゃ寒いです。

 

通学

現在自分は実家から1時間40分程かけて通っています。電車に乗る時間が長いので現状が壊滅的なTOEICの勉強とかをしています。

電車の最寄りから大学まではあり得ない傾斜があり徒歩だと大変ですが、幸いなことに理学部だと距離は大したこと無いので歩いて通ってます。

沢山上らないといけない分景色は良いのが救い(´Д`)

大学からの眺望

 

授業全体について

今のところ、全体としてちゃんと授業を聞いていればついていける授業が殆どという感じです(某京大学や某都大学みたいな明らかに進んだ内容まで取り上げるような物は今のところ無いです)。

ただ一般相対論は学問そのものが難易度高いので普通に大変ですが...。

また最先端の内容を扱った授業、集中講義みたいなのはあまり充実していなかったです。

 

(´_ゝ`)

 

部活・サークル

漫研音ゲーサークル、オフショアセーリング部の3つに入りました(どれも拘束時間が短い)

しかし、まだどの部の人ともそこまで関われていないので「ちゃんと行事とか参加しないとな」になってます。

 

オフショアセーリング部はヨットに乗る部活です。

 

終わりに

編入前は内部の人の物理に対する意識のレベル感とかが分からず不安だったのですが、実際通って見るとかなり意識の高い人が多く、とても充実した生活が送れています。

また夏休みにはKEKのサマーチャレンジの内定が決まっていたり、一般相対論の自主ゼミメンバーで合宿的なのを企画していたりと今後も楽しみがいっぱいです。

 

これから編入試験を受ける皆さんも、是非合格を勝ち取って楽しい物理ライフを送りましょう。

 

( ´Д`)ノシ

2021年度京都大学工学部編入試験体験記(不合格)

2021/8/31~9/1に標記のような試験を受験しました。

受験した学科は物理工学科原子核工学コースで結果は不合格でした…(´゚д゚`)

結果は不合格でしたが、自分が受験した学科コースの体験記が皆無なことから特に面接の情報などは有益と思われるので書いていこうと思います。

 

一応スペック

・明石高専電気情報工学科卒(2020年度)

・学科順位は常に約40人中30台後半をさまよっており留年チキンレースをしていた

高専卒業後、和歌山大学システム工学科に編入。ここでいわゆる仮面浪人を実施

・併願校:神戸大学理学部物理学科(合格)

TOEIC:580

・TOEFLibt:58(R:15,L:12,S:12,W:19)

・連絡先(Twitter) : @NSD_collider

志望動機:元々京都大学に憧れがあったので受けようと思っていた。素粒子物理学に興味があり、理物に編入したかったが理学部は編入を受け付けていなかったので、編入可能且つそれっぽいことが出来そうなこの学科を選んだ。また、京都大学は現役の頃(一年前)にも受験して落ちていたのでそのリベンジをしたかった(現役期は電電を受けた)。

↑勿論本番ではこんなことは言っていないです.

 

 

試験対策

数学

基本的に編入勢御用達の「編入数学徹底研究」をやりました。

次に過去問を過去5年分程やってから、「編入数学過去問特訓」を明らかに出ないような問題から目を背けながらやったり、高専の数学の教科書から平均値の定理やシュワルツの不等式のような過去問にあるorありそうな定理等の導出を一通りやりました。

 

また微積線形代数で分からないところがあれば、「明解演習微分積分」「明解演習線形代数」の二冊を使って勉強しました。この二冊は編入試験範囲外の内容も多いので取捨選択が必要ですが、いろいろと詳しく載っているのでおすすめです。

 

まあ過去問を見ると分かるのですが、最近の京大の数学はあからさまに易化してきているので、「過去問特訓」のC問題とかを見て変に恐れる必要は無いと思います。

 

物理

神戸の対策で結構やっていたのでそれ以降は特にやっていません。

過去問を5年分程やったのと、記憶を呼び起こすために試験2週間前辺りから「基礎物理学演習ⅠⅡ」を一周しました。

 

化学

化学は7月に受験した神戸大の編入試験後に開始して、有機化学は「マクマリー有機化学(上・中)」、一般科学は「大学への橋渡し 一般化学」を使って勉強しました。また仮面先の大学で有機化学量子化学の授業を取ったりしていました。

過去問も例によって5年分程やりました。

京大の化学は普通に大学内容で範囲も広いので、一か月前からにわかに始めたところでは1割も取れないことの方が多いです。そのため化学を捨てるつもりでなければ早いうちから対策を始めた方が良いです。

また化学の参考書として、ネットで調べると「鎌田の有機化学の講義」や「化学の新研究」などの高校生向けのものが出てきます。これらはよくまとめられているのですが、殊京大編入対策という面では殆ど役に立たないです(上記の本については経験済み)。

初めから大学内容から始めても理解的な面では全然問題ないので時間に余裕が無い人ほど高校内容はやらないことをお勧めします。

 

有機化学の本として挙げたマクマリーですが、これには「有機化学概説」という上中下を一冊にまとめたお手軽バージョンがあり、上中を読む前にこちらを見た方が情報がまとまりやすいと思います。

一方で、京大の過去問の中には上中に載ってて概説には載っていない反応もいくつかあるので(トシラートイオンのやつとか)、概説だけやって突撃するのはあまりお勧めしないです。

 

TOEFL

4月に受験して48点、GWにもう一度受けて58点で、後者を提出しました。

これについては別の記事をまた書くつもりです。

 

 

全体的に、京大の編入試験は大学名の割には基本問題が多く、また一見難しくても誘導に沿ってやっていれば割と解けるような問題も多いです。

そのため基本を固めるような勉強の方が適していると思われます。

使用した参考書

数学

・「編入数学徹底研究(聖文新社)」

・「編入数学過去問特訓(聖文新社)」

・「明解演習 微分積分共立出版株式会社)」

・「明解演習 線形代数共立出版株式会社)」

高専の教科書

 

物理

・「基礎物理学演習ⅠⅡ(サイエンス社)」

・「エレクトロニクスのための電磁気学例題演習(コロナ社)」

・「電気磁気学 その物理像と詳論(森北出版)」

 

化学

・「マクマリー有機化学概説(東京化学同人)」

・「マクマリー有機化学上中(東京化学同人)」

・「大学への橋渡し 一般化学(化学同人)」

 

書いてて上の対策と内容全く同じことに気づいた()

 

(^'^)

試験前日

昼頃に予約していたホテルに到着して、それから観光をしました(徒歩圏内だったので八坂神社やその近くの喫茶店へ行きました)。

コロナの影響で観光客はほとんどおらずかなり快適でした。

夜は去年の京大編入試験の合格者であるところの水無月さんとラーメンを食べました(美味しかった)。

夕食後、京都のバスが複雑でよく分かっていなかったので当日乗っていいバスを教えてもらったりしました(一緒に理学聴講しようなって話だったのに落ちてしまってすみません…)。

 

落ちた自分が言うのもアレですが、前日に詰め込んだところで試験はどうにもならない上、変に勉強不足の部分に気が行って余計な不安を抱えることになるので、前日はしっかり寝ることと心を落ち着かせることを第一に考えた方が良いと思います。

 

水無月氏の体験記

lisa0.hatenablog.jp

試験一日目(筆記)

集合場所は敷地内の庭みたいなところで、時間になったら試験会場まで案内されます。

今年の受験者は17人(←少な)で、全員出席でした。

試験会場には備え付けの時計が張り付けてあり、自前の腕時計は外すように言われます。腕時計をよく忘れる人におすすめの編入先と言えます。

 

数学

試験時間は120分

今年の数学はバカ簡単でした。出来は悪くても9.5割程。

 

物理&化学

試験時間は2つ合わせて120分です。

力学

運動方程式から運動量保存則など色々な式を導くというもので、やることは単純でしたがどの記号が与えられているのかが分からず個人的にはあまりできなかったです。出来は6割程

 

電磁気

離れた点に対して円電流が与える電場とかを答えるだけの異様に簡単な問題でした…が、自分は問題文を読み違えて点の位置を違う場所と勘違いしてしまい全く関係のない電場を計算していました…(多分これさえ無ければワンチャンあった)。

試験中は京大は流石に難しい問題を出すなあと思っていたのですが、後で他の受験者と感想戦してた時にこれが発覚して以降死んでました。

所々奇跡的に一致するところがあったので部分点とか加味してもおそらく2割程度…

 

化学

無機が出て死にました。あと重合体とかも出てた気がする。そんなのやってない…

出来は2割程度

これからの受験者の皆さんは無機化学もちゃんと勉強しましょう(無機に関しては高校範囲で大丈夫と思う)。

 

電磁気のやらかしに気づいてから完全に放心状態でホテルに戻ってふて寝しました。

 

試験二日目(面接・口頭試問)

これは物理工学科の場合です。各学科ごとに集合時刻も面接の内容も全く異なるのに留意してください。

概要

・AM9:15に建物に集合。受験番号順に1人30分ずつ面接及び口頭試問が行われる(コースごとではない)。
・待機中は私語とスマホ禁止。読書はOK。口頭試問の内容が完全に未知だったので、とりあえず待ち時間に原子核に関する内容の参考書を読んでいたがその内容は一切出なかった…(´;ω;`)
・面接の部屋と面接官はどのコースも多分同じです。口頭試問の内容は同じかも知れないし違うかも知れない。
・面接官は5人おり、自分が座る椅子の前方に机と、後方にホワイトボードがあります。
・30分はきちんと測られており、開幕5分程面接をしてから残りの時間は全て口頭試問(30分を過ぎると打ち切られて帰れと言われる)

 

(´・ω・`)(´・ω・`)

内容

聞かれたこと

・志望動機

量子論的な効果を用いた技術は10年後どのように発展していると考えるか(志望動機でそれっぽいことを言ったため)

原子核工学コースでどのようなことが学びたいか。

・学んだことはどのようなことに活かされるか。

 

大したことは聞かれず5分ほどで口頭試問が始まりました。

 

口頭試問

三人の面接官から力学、熱力学、電磁気学に関する問題が出された。

力学(口頭で問題を出されて口頭で答える形式)

・滑らかな床の上でキャスター付きの椅子にボールをもって座っている状況を考える。この時ボールを前方へ投げるとどのように動くか。またそれはなぜか(運動量保存則)

・同じ状況で、指でボールを回転させると自分はどのように動くか。またそれはなぜか(角運動量保存則)

 

熱力学(問題のプリントを渡されて口頭で答える形式)

・クラウジウスの原理の説明(対偶が成り立たないことを示すやつ)
・ジュールの法則の説明

 

電磁気(問題のプリントを渡されて口頭で答える形式)
プラズマについて
・直線電荷の周りの電場を求める(自分はガウスの法則でやったらその式は何?とか聞かれてきょどった)
・電子が気体に衝突してイオンが電離してガスを発生させる現象について、電子とイオンのどちらがより現象に寄与するか。

プリントの方は結構急かされるので怖かった。

 

普通に知ってるのに忘れてて答えられなかったものが結構あって感触は微妙でした。おそらく例年ここに書いたようなことを聞いてくると思うので、これから原子核工学コースを受験する人はこれを元にしっかり対策をして良い印象を与えましょう。

 

結果

落ちてました(それはそう)。

 

感想

今年は数学と物理が易化していた反面ボーダーは恐ろしく跳ね上がっていたと思われます。

受験者17人中合格者は5人で、中でも合格者の内自分の認知している2人はTOEFL100↑で東大編入試験合格済みという強者ばかりでした()

 

また知り合いに出来が数学9割物理8割程で不合格をもらっていた人もいました(TOEFLは66くらい)。

出来を聞いてて、なんか自爆した自分はともかく彼は流石に受かっているだろうと踏んでいたので結構衝撃でした。

 

今回は数物が易化しすぎて点数が横並びだったからTOEFLの高い人を取ったのではみたいな話を受験er同士でしていました。

 

今後どれくらい合格者を取るようになるかは謎ですが、TOEFLや化学について今まで以上に高い点を要求される可能性は高いのでこれから受ける人たちは頑張って下さい。

 

また自分は京大に落ちたことで来年から神戸大の理物に進むことが確定しました。試験勉強の成果を十分に発揮できなかったことには悔しさが残りますが、もともと興味自体は理物の方が近かったこともあり、まあ仕方ないかなと言う感じで今は結果を受け入れています。

 

スペックで書いたように自分は元々クラス内順位で常にワースト5辺りに常駐しているような出来の悪い学生でした。その状態から(しっかり1浪したものの)神戸大に合格し、京大も十分合格が見えるラインまで持って行けたのは我ながら頑張った方だと思います(思いたい)。

自分の編入ライフはこれにて終了ですが、学部の講義や大学院入試など勉強の機会は無くなるどころか更に増えていくので、編入期間で得た知識や勉強法(?)を活かしてこれからも頑張っていきたい所存です。

 

以上になります。

長文にお付き合いいただきありがとうございました。

 

質問等あれば@NSD_collider (Twitter)まで

(試験対策で作成した過去問の解答とか持て余してるので欲しい人いたら是非)

 

(゚Д゚)ノ

 

 

 

2021年度神戸大学理学部物理学科編入体験記

2021年7月に標記のような試験を受験し合格しました。

高専生に人気の編入先と比べるとこの学科の体験記は少ないと感じたので、これからこの試験を受ける人たちに向けて試験の所感などについて書いていこうと思います。

また自分は一浪しているので、その辺りについても軽く書こうと思います。

 

一応スペック

・明石高専電気情報工学科卒(2020年度)

・学科順位は常に約40人中30台後半をさまよっており留年チキンレースをしていた

高専卒業後、和歌山大学システム工学科に編入。ここでいわゆる仮面浪人を実施

・併願校:京都大学工学部物理工学科(不合格)

TOEIC:580(英語が筆記試験だったため提出していない)

・TOEFLibt:58(京大の編入用、神戸大の編入には不要)

・連絡先(Twitter) : @NSD_collider

機会みたいなものだ

 

志望動機:大学で素粒子物理学について勉強したいと思っていたため、関西圏で理学部編入を受け入れている大学を探したところ神戸大学が最もレベルが高かった。

(ちなみに高専からの編入が可能な京都大学工学部にも物理工学科原子核工学コースという原子核について学べるところがあり、これはこれで興味があったので併願した)

 

(´・ω・`)(´・ω・`)

試験対策

試験2週間前までは過去問を眺めて出題傾向を探りつつ、「基礎物理学演習ⅠⅡ(サイエンス社)」の試験範囲と思われる箇所をひたすら回していました。過去問の感じからして、この本の例題がきちんと解けるくらいで試験は十分対応可能だと思います。

 

勉強を始めるタイミングや一日の勉強時間は正直個人差でしょうが、試験一か月前までに少なくとも力学と電磁気くらいはある程度理解できている状態にしていることが望ましいので、それに間に合うようにやるといいと思います。

なんで力学と電磁気かということですが、神戸大物理学科の物理は大問1が力学、2が電磁気、3が色々となっており、3についても半分くらいは電磁気や力学関係の範囲からの出題になっています(例えば電磁波や電気双極子などが出ていた)。

そのため、出るかも分からない上に配点も大したことのない流体や波動などに力を入れるより、力学と電磁気を固めた方が良いと思われます。

また、物理の例題の式変形などで頻繁に手が止まる場合は一度物理の勉強を止めて、先に数学の勉強をきちんとやった方が良いです(計算に気を取られると物理的な部分の理解が甘くなったりするので)。

 

試験2週間前あたりから、過去問5年分(神戸大のHPにリンクがある)の解答の作成をしていました。全問を解く必要は無いですが、全然調べてもいいので9割くらいは何かしら答えを書けるようにしたいところです。

また編入仲間や協力してもらえる教員がいるのであれば積極的に頼った方が良いです。自分の場合大学の教員には流石に聞きづらかったので、1年下の優秀な後輩に自分の解答が妥当か確認してもらったりしていました(ちなみにその後輩は無事阪大工に合格していて勝てませんになった)。

 

英語の対策は特にしていないです(京大編入用にTOEFLを受けた時の勉強くらい)。

 

手伝ってくれた後輩の編入体験記を以下に示す。

shinchankosen.hatenadiary.jp

試験1日目(筆記試験)

試験は朝の10時からあるので、道に迷って受験できなくなったりしないように、一回は受験会場の下見をしておきましょう。

(自分は数年前に神戸大学で行われた情報系のイベントに参加し、大学の入り口が分からず遅刻したことがある)

服装については自分はスーツを着て行きましたが、半分くらいは私服だったし筆記に関しては普通に私服で良いと思う。

 

試験会場について

・会場は普通の教室、普通の教室の勉強机で試験を受ける(定期テストを受けているような気分になった)

・部屋に時計は無く、腕時計を持参する必要がある

・試験時間は2時間あるので試験前にトイレを済ませた方が良い。

・筆記試験の問題用紙は持ち帰り可

物理

時間は120分、問題の内容については各自確認してください。

体感の出来は8~9割くらい(大問1: 完答、大問2: 完答、大問3: 6~7割)

大問3はベクトルと電磁気は完答、熱力は(2)だけ書きました。

熱力をあまり勉強出来ておらず勿体ない失点をしてしまいましたが概ね出来てたと思います。

 

この試験で8割くらい取れれば大体安全圏かなと思います。8割と言うと大変そうに感じるかもしれませんが、各大問で最後の1,2問以外を合わせればいいだけなので割と何とかなります。

 

それと自分が試験中に使った小技を2つ紹介します。

まず一つ目は、「解答用紙を縦線で3つくらいに分けて解答を書く」です。こうすると無駄な空間が減らせますし、一見分からない問題が出てきて一旦飛ばすときにも空間を取りやすくなるのでおすすめです。

二つ目に試験途中で書いていた解法より適切な解法を思いついた場合、前のを消して同じ位置に新しいのを書くのではなく、古い解答の下に新しい解法を書いて、最後に古い方を消しましょう。

こうすることで、新しい解法が変だった場合に前のを書き直すという手間が省けます。

 

英語

時間は60分。大問が2つあり、大問1は一般的な長文問題、大問2は英作で、英語で願書を書くというものでした。体感の出来は長文が6割くらい、英作の方は一応書いたけど何とも言えない。。

長文は専門用語が多くTOEICなどしかやってない人からすると少し難しく感じるレベルだったのではと思います。自分はTOEFLのReading対策である程度慣れていたのでそこまでひるむことは無かったです。

まあ来年からはTOEICになりそうだけど。。

1次の結果発表

同日18:00に筆記試験の合格者が神戸大理学部のHP上に展示される。

物理の感触がだいぶ良かったのでこれで落ちたら終わりだろと思っていたが無事合格しており安心した。

直後に受験票を会場に置き忘れたことに気づき、急いで教務課に連絡した

 

(´゚д゚`)

面接に向けて

一次に受かった場合、翌日の対策をする必要があります。

神戸の面接は(少なくとも物理学科は)口頭試問ではないので、志望動機などのありきたりな質問の答えを考えておけばとりあえず大丈夫だと思います。少なくとも常識的な受け答えが出来ていれば、一次通ったのに面接態度が原因で落とされるということは起きないと思われます。

 

一方で、筆記の結果が合格ラインギリギリの受験生に対しては筆記の問題の解き直しをさせるというウワサがあり、面接で落ちる場合はおそらくこれが原因では無いかと考えられます。

そのため、面接の実施が決まったら絶対に筆記試験の解き直しをした方が良い。

 

試験二日目(面接)

教務課で置き忘れていた受験票を受け取り、待機室に向かった。

 

・待機室には理学部のすべての学科の受験生が集められ、学科別で受験番号順に面接室へ案内される。

・面接の時間は10分程度

・待ち時間はスマホの使用等特に制限は無かった。

面接の内容

聞かれたこと(順番は最初と最後以外バラバラです)

・志望理由

素粒子物理学に興味があり、これについて勉強できる編入先を探したところ神戸大学がレベルの高さと通いやすさの点で優れていた。

・どの研究室に興味があるか

→粒子物理学の研究室(インターネットで見た)

・理論と実験ではどちらに興味があるか

→実験です。

・試験の出来について

→物理は結構できたが熱力学の部分は勉強不足であまり解けなかった。英語は住所を書く時の順番が分からず、また英作もあまり自信が無い。

・筆記の電磁気の問題は高専で扱ったことがあったのか

→はい。(この質問で自分の筆記の出来が結構良かったっぽいことを悟り、和みました)

高専時代の卒研の内容は?

→卒研の内容を語った。

・最後に併願校と志望順位を教えて(合否には関係ないということを念押しされる)

→第一志望:京都大学工学部物理工学科原子核工学コース

第二志望:神戸大学理学部物理学科

 

面接はすごく普通な感じで、これで落ちてたらなんで落ちたのか聞きに行くわという感情でした。

 

結果

合格でした。

 

Summary

第一志望にしていた京大工学部には届きませんでしたが、同じくらい行きたいと思っていた神戸大の理学部物理学科には合格出来てとても良かったです。

 

自分の場合、現役の頃はそこまで興味の無かった電気電子系の学科を惰性で受けていたので、何なら現役で合格するよりも良い結果とすら感じています。

これから素粒子物理について学べることが楽しみで仕方ないです。

(/・ω・)/

高専生の編入浪人について

今のところ編入に全落ちした高専生は就職に切り替えるというのが主流になっていますが(同期にもいた)、自分は一浪するというのも全然アリだと思います。

実際自分の身の回りにも、高専で転学科や留年を経て1年遅れの編入をした人は何人も確認してますし、仮面浪人して二年次編入した人や、一度社会人になってから大学編入決めた先輩とかもいました。

このように浪人はじめ何年か遅れで編入を受ける人というのはあまり見ないだけで実はちらほらいます。なので、大学に未練があってもう一年頑張れるのであれば、変に周りを気にして就職を選ぶより絶対に一浪すべきだと自分は思います。

但し浪人するなら絶対に受かるところを1校は受けましょう、二連続で全落ちして二浪目突入or就職は多分地獄です。

 

仮面浪人して二年次編入した人の編入体験記です(自分もこれの予定だった…)。

lisa0.hatenablog.jp

使用した参考書

・「基礎物理学演習ⅠⅡ(サイエンス社)」(黄色いやつ)

・「エレクトロニクスのための電磁気学例題演習(コロナ社)」

・「電気磁気学(森北出版)」

高専時代の授業プリントなど

 

以上になります。

長文にお付き合いいただきありがとうございました。

 

質問等あれば@NSD_collider (Twitter)まで

(試験対策で作成した過去問の解答とか持て余してるので欲しい人いたら是非)

 

(゚Д゚)ノ