大学編入後の生活
編入試験の記事はよく見るけど、合格してからの記事はなかなか見ないという話を聞いて「なるほどそうだな」と思ったので、授業のこととかを書いていきます。
…という旨の記事を知り合いが書いていたのを見て「なるほどそうだな2」と思ったので自分も書いてみようと思います。
ちょうど去年自分が受験した弊学科の編入試験まで残り1か月を切ったということで、これから受験される人たちのモチベーションとかになればなと思っています。
知り合いの記事です
筆者
2021年3月に明石高専を卒業し、2021年4月に和歌山大学シス工に3年次編入。
しかし物理がやりたくなりその年の神戸大学理学部物理学科の編入試験を受け合格。
2022年4月に同学科に編入し現在B3
(´・ω・`)
単位認定・履修登録
神戸大学では卒業に必要な単位が124?(うろ覚え)くらいで、物理学科では大体65~70単位程が認定されます(そこまで授業に互換性の無さそうな高専の化学科卒や大学の数学系の学科や建築学科からでもこれくらいでした)。
特に1,2年生向けの基礎教養科目みたいなのは(自分も編入同期も)全員全て認定済みでした。
2年生までの科目であれば結構無理やりでも認定してくれる感じで、例えば自分は解析力学を高専で一切学んでいなかったのですが何故か認定されていました。
とにかく、編入したものの1,2年の教養科目を取らないといけないせいで同じ時間の専門科目がとれないみたいなことはほぼ起きないと思います。
また履修登録について、同じ学部の授業であれば好きに取ることが出来ます。
(例えば自分は理学部物理学科ですが、同じく理学部の生物学科で開講されている神経生理学と言う授業を取っています。)
他学科の授業も8単位くらいまでは卒業要件として使うことが出来ます。
一方で他学部の授業(理学部→文学部とか)は原則取れないことになっていて、どうしても受けたかったら潜れという感じみたいです。
(´・ω・`)(´・ω・`)
授業
月12 統計物理学ⅠⅡ
所謂統計力学です。力学よりも広い枠組みで学ぶと言う意味で統計物理学という名前だそう。
教科書は物理学徒には定番の田崎統計です。一年間で1,2の内容をやります。
授業も大体教科書に沿って進むので教科書の解説みたいな感じで助かってます。
中間テストが無いので前期末のテストはやばそう()
(月3解析力学)
先に書いたように解析力学は単位認定済みでしたが、月4に授業を入れたので潜ることにしました(が結局一回目しか行ってません)。
教科書はランダヴ力学ですが、授業ではあまり使わないのでそれ目的で受ける必要は無さそうです()
月4物理実験学
前期科目で、前半に素粒子実験(確率統計や素粒子物理の基礎)、後半に物性の実験で使う知識(真空技術や低温技術など)について学びます。
2年生で受ける専門科目で単位認定することも出来たのですが、自分は素粒子実験を専門にしたいので単位認定はせず受けることにしました。
この授業で習う内容は学生実験でも出てくるので理論志望でも受けて損はないと思います。
中間テストの解答用紙が編入試験で使われる解答用紙と同じで「おー」となった。
火12物理数学Ⅲ
唯一オンラインでも受けられる授業なのでありがたく家から受けさせて頂いております(片道1時間40分はかかるので本当にありがたい…)。
内容はFourier変換とかLegendle多項式とか。高専の頃は自分の不勉強もありこれらのありがたみがよく分からずアレだったのですが、最近は例えば量子力学の位置空間と運動量空間の関係の話などでFourier変換が出てくるので、必要性が見えてきた分結構モチベーションの高い状態で講義を受けられています(´Д`)
火曜日の授業はこれだけなので午後は自由です(絵の練習とかバイトなどをしてる)
水2神経生理学ⅠⅡ
生物学科の授業です。内容は脳や筋肉、脊髄などの神経細胞の働きなどについて学びます。物理とは無関係ですが面白そうだったので取ってみました。
(自分はシュタインズ・ゲートにかなり影響を受けてるのでそれもある)
神経生理学Ⅰは高度教養科目(他学部からのみ受けられる授業)の「脳科学」という授業も兼ねており、Twitterで知り合った去年の工学部電電(自分が現役時に落ちた所)の編入生が脳科学の授業で取っていたのでその人と一緒に授業を受けていました。
普通に楽単だし内容も(興味あれば)面白いので個人的にはおすすめの授業です。
水345物理学実験ⅢⅣ
物理学科3年生向けの学生実験です。
1つのテーマに対して3週間実験をして、次の1週間でレポートまとめ&提出という流れです(3週間分のレポートなので提出期限前日とかまで溜めてると死にます)。
時間は3-5限となっていますが大体の実験は17時くらいには終わるものが多い感じです(ただめっちゃ時間かかるのもあるのでバイトとかは極力入れないのが吉)
実験内容はマイケルソン干渉計を使ったものや、光電子増倍管とかを使ってガンマ線の数を測定するものなどがあり、高専や前の大学でやっていた「回路組んで抵抗値測るだけ」みたいな実験に比べるとテーマがかなり自分の興味に近くテンション上がってました。
木12量子力学ⅠⅡ
神戸大学では珍しいことに3年生の前期から量子力学の授業が始まります。
(一般的には2年の後期からの所が多い気がする)
これについて学科主任の先生は、「多分編入生のために3年生からにしてるんじゃないかな。」とか言ってました。
授業スライドが結構分かりやすくて良い感じです。
中間テストが難易度はそこまで難しくは無かったのに一つだけやり方ど忘れして埋まらず泣いた。
木3一般相対性理論
隔年で、宇宙論という授業と交互に開講されている授業です。
結構難易度が高いけど一般相対論は物理学科に入ってやりたかった勉強の1つなので頑張って食らいついてます。
特殊相対論の授業は2年の後期にあり、3年で一般を受ける場合大学の特殊の講義を先には受けられないので、編入前にある程度予習をしておくことを強く勧めます。
(特に、特殊相対論、テンソルとかを使った添え字の計算を多少やっておくのがおすすめです)
(木4自主ゼミ:一般相対論)
有志で一般相対論の自主ゼミをやっています。(メンバーの空きコマの都合から奇しくも一般相対論の授業の直後になった)
須藤靖「一般相対論入門」を使って一人ずつ担当を決めてやっています。
授業の復習にもなるし結構モチベーションを貰えるので楽しい。
金曜 全休
沢山寝てます_(:3 」∠)_
理学部棟
理学部の授業はほぼ全てここの各教室で行われます(編入試験の会場にもなっています)。
このようなコンクリートむき出しの無骨な造りは一時流行っていたらしい(建築学科出身の編入同期が言ってた)
コンクリートの熱伝導率の高さゆえに外の冷気を大量に取り込んでくるので、入学直後の春の陽気に包まれた暖かい時期でもこの理学部棟だけはめちゃくちゃ寒いです。
通学
現在自分は実家から1時間40分程かけて通っています。電車に乗る時間が長いので現状が壊滅的なTOEICの勉強とかをしています。
電車の最寄りから大学まではあり得ない傾斜があり徒歩だと大変ですが、幸いなことに理学部だと距離は大したこと無いので歩いて通ってます。
沢山上らないといけない分景色は良いのが救い(´Д`)
授業全体について
今のところ、全体としてちゃんと授業を聞いていればついていける授業が殆どという感じです(某京大学や某都大学みたいな明らかに進んだ内容まで取り上げるような物は今のところ無いです)。
ただ一般相対論は学問そのものが難易度高いので普通に大変ですが...。
また最先端の内容を扱った授業、集中講義みたいなのはあまり充実していなかったです。
(´_ゝ`)
部活・サークル
漫研、音ゲーサークル、オフショアセーリング部の3つに入りました(どれも拘束時間が短い)
しかし、まだどの部の人ともそこまで関われていないので「ちゃんと行事とか参加しないとな」になってます。
オフショアセーリング部はヨットに乗る部活です。
午前は気になってた部活の試乗会に行ったけどめっちゃ良かった(´ω`) pic.twitter.com/IAnsALIbQ7
— 牛頭馬頭 (@NSD_Collider) 2022年4月10日
終わりに
編入前は内部の人の物理に対する意識のレベル感とかが分からず不安だったのですが、実際通って見るとかなり意識の高い人が多く、とても充実した生活が送れています。
また夏休みにはKEKのサマーチャレンジの内定が決まっていたり、一般相対論の自主ゼミメンバーで合宿的なのを企画していたりと今後も楽しみがいっぱいです。
これから編入試験を受ける皆さんも、是非合格を勝ち取って楽しい物理ライフを送りましょう。
( ´Д`)ノシ